2018.07.11 Wed

6/9(土)に開催された、fhanaの全国ライブツアー「World Atlas Tour 2018」の名古屋公演に行ってきました!
fhana(ファナ)はサウンドプロデューサーの佐藤純一、kevin mitsunaga、yuxuki wagaとボーカルのtowanaによる音楽ユニット。
アニメ「有頂天家族」のエンディングテーマであるメジャーデビュー曲『ケセラセラ』で知り、なんかいい曲だなと思ってCDを購入。カップリング曲の『君という特異点[singular you]』も気に入り、これは曲単体じゃなくてアーティストとしてもハマるのではと思いながら、その後にリリースされたシングルも聞いていきましたが、思った通り出る曲どれもが自分の好みにバッチリ合致。ミュージックビデオの雰囲気も気に入って、気付けばすっかりfhanaのファンに、“ふぁなみりー”になっていました。
そんなわけでメジャーデビューからこれまで、ほぼ全てのシングルとアルバムを買って聴いていたのですが、ライブには行ったことがありませんでした。それどころか、そもそもいわゆるライブというものに参加したことすらありませんでした。もっと言えばこれまで、そういうところに行こうという発想さえもありませんでした。
しかし、昨年冬の「冴えカノ」イベントに参加するため、単身で東京に行ってきたことで、低くなっていた遠出へのハードル。そんななかで購入した3rdアルバム『World Atlas』初回限定版に封入されていた、ライブツアー先行チケット販売券。こんなバッチリなタイミング、これは何が何でも行くべきだろう、とライブに行くことを決めました。
ちなみに公演は、札幌、名古屋、大阪、東京でのソロライブと、アメリカ、カナダでのイベント内ライブの全6公演。そのなかで名古屋公演を選んだのは、唯一土曜日の夜に開催されるライブであり、土曜に出発して日曜に帰るというスケジュールを組みやすかったからです。
場所は地下鉄東山線・桜通線の今池駅を出てすぐのところにあるライブハウス「ボトムライン(The Bottom line)」。母体はアメリカ・ニューヨークの歴史あるライブハウスというなんだかすごい場所。

入口のライブスケジュールを知らせる看板に「fhana」の文字。
過去の実績に後押しされるように行くことを決めたものの、先に書いたように初めてのライブ、さらに初めてのライブハウスという場所にオールスタンディングという形式。いったいどんな雰囲気のものなのだろうと、やや不安はありました。
加えて不安だったのが、ステージが満足に見られるかどうか。約750人収容のライブハウスにおいて、届いたチケットの整理番号は650番とかなり後ろの方。会場後方には柱が2本立っていて、位置によってはそれが邪魔でステージが見にくい、との情報。入場してみると案の定、柱より前はすでに人でいっぱいになっており、残すは柱より後方のわずかなスペースのみ。どこに立って見るのがベストかわからず何となく収まった場所は、柱の脇でステージに向かって右半分が隠れてしまうような場所でした。
柱と前に立つ人達に隠れてステージの様子が見えるのか心配でしたが、まったく見えないことはなく、ステージ左端で演奏している佐藤さんはしっかり見え、その右側に立つtowanaさんも見え隠れしながらですが、会場がそこまで広くないため後方でも、その表情まではっきり伺うことができました。ただ、ステージ右半分に立つkevinさん、yuxukiさんは、やはり直接その姿を見ることはできず、柱に備え付けのモニターでしか見られなかったのは残念でした。
実際にライブに行ってみて感じたのは、本当にサイリウム・ペンライトの類は振られないんだな、ということ。さらに、曲に合わせて手を振り上げたり体を動かしたりしている人が多くいるなかで、ただじっと立って曲を聴いている人もそれなりにいて、お客さんそれぞれが思い思いに楽しんでいるように見えました。(ほかのライブを経験したことがないので、こういう感じも珍しくはないのかもしれませんが)
そんな自由な雰囲気に「無理に周りに合わせてのらなくてもいいんだ」という安心感とともに、最初のうちは「あれ、じゃあどうやって聴いてたらいいんだろう」という戸惑いがありましたが、時間が経つごとに徐々に慣れ、リズムに乗って体を揺らしてみたり、時折手を振り上げてみたりと、自分なりにライブを楽しむことができるようになっていました。
そんなお客さん各自が自由に楽しめるようなライブ、というのは意識されてのことのようで。ライブの物販で販売されていたパンフレットのインタビューの中で、yuxukiさんがこのように語られていました。
たとえばfhanaとしてライブをやるときに、来てくれるお客さんはいろんな界隈の人がいて、アニメを観ている人が多いとは思うんですけど、うちらのライブの楽しみ方は自由と言いつつ、逆に何していいかわかんないのかなっていう気もしていて。光る棒を振ってればいいっていうものでもないし、メロコアみたいにガンガン動いてればいいものでもないし、ほんとに自由に楽しんでほしいんだけど。やっぱりライブに来たからには一体感というか、みんなで作り上げた非日常的な空間にできたらいいな、と思っていて。その提案を曲の中に当て込むというか。煽るのもなんか違うと思ってるので、『こういうことやらない?』っていう提案みたいな感じですね。
ツアーパンフレット(TRANSIT LOUNGE Vol.4)より引用
このパンフレットのメインの内容であるロングインタビューはなかなか読み応えがあって、暑い中並んで買った甲斐があった…というのはさておき、ここで語られているのは『アネモネの花』という曲について。「提案」というのはその冒頭に入っている手拍子のこと。この曲は今回のライブでも披露されていましたが、その狙い通り多くのお客さんが手拍子のパートに合わせて手を叩いていました。
「提案」はこれ以外にも。ライブツアー、そして3rdアルバムの表題曲でもある『World Atlas』では、towanaさんから「物販でフラッグを買った人に是非旗を一緒に振ってほしい」とのお願いがあったり。そのあとに「フラッグは一旦置いて自由に踊ろう」というような呼びかけから始まった『青空のラプソディ』では、kevinさんが自分の持ち場をほったらかしてまでもお客さんを先導するように、ミュージックビデオの中でも踊っていたダンスを全力で踊り出したり。また、『光舞う冬の日に』のサビ。これはライブ映像で事前に見ていたのですが、towanaさんが縦に線の入った三角形を描くように指を動かすのに合わせて、お客さんも同じように指を動かしていたのが印象的でした。
もちろん自分も、手拍子は打ったし、フラッグは購入していたので一緒に振ったし、ダンスはうろ覚えだったけど気持ちは一緒に踊ってる気分でいたし、指振りも一緒にやりました。
自由に楽しむのもOKだけど、ちょっと一緒にこうしてみない? という、強制的ではない文字通り「提案」。強制的ではないからこそ乗っかりやすく、乗っかることで、緩いけどどこか一体となっているような感覚が得られる。そんな心地よい体験ができました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、アンコールを挟んで迎えた最後の曲『It's a Popular Song』。ライブに行くにあたって予習がてらアルバムを繰り返し聴いていて、イントロや間奏に繰り返し登場するフレーズや、全体的にやや切ない印象のメロディに惹かれていたのですが、実際ライブで耳にすると、ライブが終わってしまう名残惜しさも相まって、切ないメロディがより一層心に染み入るようでした。
最後はライブのサポートメンバーも一緒に全員で手をつないでお辞儀、towanaさんが持っていたフラッグを客席へ投げ入れて終演。終始立ちっぱなしだったので足が痛かったですが、それすらもなんだか気持ちいいような非常に満足感のある2時間でした。佐藤さんもライブの中でおっしゃっていましたが、ライブとは「非日常」的な空間。最初はそこへ入り込めるか心配でしたが、入っていきやすい雰囲気でしっかりと「非日常」に浸ることができました。

物販で購入したグッズ類。フラッグ、パンフレット、缶バッチ、ラバーバンド、Tシャツ。
これまでアニソンレーベルにおいて多くのアニメ主題歌を制作してきたfhana。でも今後はその枠に捉われず、もっと広い世界へ足を踏み出していきたいとパンフレットで語っている佐藤さん。「World Atlas(=世界地図)」というアルバムタイトルも、当初はそのような意味でつけたものではなかったものの、アルバムが出来上がるころには「“ほんとう”の旅に出るために必要な地図」という意味合いに変わっていたそう。
そんなさらなる飛躍を目指すfhanaをこれからも応援していきたいです。そして次にライブを見に行く機会があれば、今度はもっといい場所で見たい! …と思うのですが、そのためには販売開始後いかに早くチケットを買うかが重要になってくるのでしょうか。とにかく次は頑張ります。
補足・その1。
前回の雑記に書いた「お土産は帰る直前に買うこと」と「感想やレポートは簡潔に1回で書き切ってしまうこと」という2つの反省点。
今回、その反省が生かせているかどうか。後者は長ったらしくなってしまったものの、なんとか1回に収めることができました。前者に関しても、最初からお土産は帰りの空港で買う、と決めていたので荷物についての苦労はありませんでした。
加えて前回「落ち着いた旅路にしたい」とも書いていましたが、名古屋到着からライブまでは物販の行列に並ぶことに時間を費やし、ライブ後はたまたま同じタイミングに名古屋に遊びにきていた友達と合流しご飯を食べ、翌朝は空港行きのバスの時間まで名古屋城を写真に収めるべく近辺を歩き回ったり…。短い滞在時間の中にあれもこれもやりたいことを詰め込んでいったので、結果としてあまり落ち着いた旅路にはなりませんでした。でも、まぁこういうのも楽しいのでOKということで。

ネットで撮影ポイントを調べて撮りに行った名古屋城。手前は加藤清正像。
補足・その2。
名古屋公演の翌週、6/17(日)に行われた大阪公演「towana Birthday SPECIAL LIVE」は、文字通り公演当日が誕生日のtowanaさんを祝う特別なライブ。自分は行っていないのですが、名古屋で合流した大阪在住の友達のひとりが、その話を聞いてすぐさまスマホでチケットを購入しており、大阪公演に行ってきたというので後日話を聞きました。すると、ライブの途中でバースデイケーキが登場したり、ほかのメンバーからtowanaさんへ誕生日プレゼントのお渡し会(?)をしていたり、チケット番号でのくじ引きがあったり、と名古屋公演とは全く違った雰囲気だった模様。名古屋公演もとても良かったのですが、こういう話を聞くと大阪公演にも行ってみたかった。こんな機会は今後あるかどうか分かりませんが、次はチャンスを逃したくないですね。